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ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら

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普段、仕事が忙しい方は落ち着いて読書を読む時間がないですよね~。私もなるべくインプットしたいので読書の時間をとりたいと思っています。


そして、ブックオフで久々に本を買い漁りに行って、ふと手にした書籍が”ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら”でした。

 

ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら

 

この本、何気に読み始めたのですが、かなりの良書で、今の自分に照らし合わせたこともあり、かなり感動してしまいました。その為、通勤時間を使ったのですが、2日間で読み切ってしまいました。


タイトルからしたら、ラーメン屋さんの業務改善とシステムエンジニアの業務は関係ないように見えますが、実は、仕事における根本として必要な考え方は一緒だと感じました。


その為、ラーメン屋さんでなくても読んでもらいたい書籍なのです。

 

では、その共感できた内容を紹介したいと思います。まず、このストーリーの中で、話のメインになるのが、ラーメン屋の「大力屋」です。このラーメンの店主である「大二郎」は昔で言う職人気質の人で、ラーメンの味に対しては自信があるが、今の時代の流れを全く無視して経営をしていました。


その結果、時代は豚骨、つけ麺、様々なジャンルのラーメンが現れ、味はいいが、どこか古臭いラーメンは、時代の流れと共にお客は離れていきます。そんな中、大二郎の娘の「春香」が大学の講義で経営コンサルタントの澤村に出会い、思い余ってラーメン屋の経営がうまくいっていない事を相談します。


そこから、「大力屋」のコンサルタントがスタートしていきます。


澤村は、大力屋のラーメンを実際に食べてみますが、確かに味は美味しいが、時代遅れの味になっている事を店主の「大二郎」に指摘します。しかし、昔気質の大二郎は、最初、話しを全く聞こうとしません。


そこで、澤村や、近所の実際に人気のあるラーメン屋さんに連れて行くのです。最初は、大二郎は時代の流れを全く意識せず、自分のラーメンこそが美味しくて、周りで売れている味噌ラーメン、豚骨ラーメン、つけ麺の存在を否定していました。

 


企業存続に必要なのは、時代の変化に適応する事

しかし、大二郎は人気が出ているラーメン屋の人気の理由と、自分のお店から客が離れて行った理由を気づかされるのです。


老舗企業によくある事ですが、過去の実績に甘んじて時代の流れに適応していかなければ、経営は厳しくなっていくでしょう。これまで多くの書籍を読んできましたが、企業が存続する為には、常に改革を起こしていく必要があります。


特に、時代の流れを受けやすい分野であれば、なおさらです。人は、うまくいっている事や、幸せは永遠に続くものと考えてしまいます。しかし、変化なくして存続し続ける企業はありません。常に、時代のニーズを分析し、会社を変えていく必要があるのです。


この老舗ラーメン屋の大力屋もまさに、時代の流れに乗りきれず、美味しいけど個性がない、古臭いラーメン屋になってしまっていたのです。それを、実際に自分の舌で売れているお店をまわることで、自分のお店の分析ができるようになります。


そして、さらに衝撃的な事実を告げられます。それは、自分と近い味の醤油ラーメンを提供する「一番軒」という全国チェーン店と、大きな差を感じないというのです。


自分の味に自身を持っていた大二郎は、澤村と話をしていく中で、その衝撃的な事実を認めざるをえませんでした。


しかし、逆に自分の味が通用しなくなっている事を理解する事で、「大力屋」は変わっていくことになります。そしてこの章で、とても勉強になったのが、

「人間は1.3倍になるとそれが他と比較して明らかに違うと気づく」


という言葉です。そして、さらに、圧倒的な差を感じさせる為には、1.7倍の差が必要であるとあります。つまり、ビジネスにおいて、”どんぐりの背比べ”をしていては、他と比較して突出できないという事になります。

 


小企業や個人商店には小としての勝ち方がある

例えば、チェーン店と個人経営のお店では、勝つための戦略が変わってきます。


まず、チェーン店の場合、お店毎に味の差がなくなるように、店舗で作りやすいレシピを考える必要がありますし、何よりコスト削減が必要になります。


多くのチェーン店では、お店独自の個性と言うよりは、どのお店でも同じ味を楽しめるというのが特徴になってくるでしょうか。


例えば、私がよく利用するファミリーレストランのガストは、どこでも同じ価格で、同じ味を味わえるので安定感があります。それは、居酒屋のチェーン店にも言えます。


しかし、逆を言えば、味の品質を高めるのが難しいですし、お店の個性を出すのも難しい。その為、グルメな同僚と飲むときは、チェーン店は絶対に行きません。


逆に、個人のお店は、安さだけせ勝負するのは、大手チェーン店のように物流が充実していなかったり、大量発注できない為、価格を抑えるというよりは、お店の個性を出した方がうまく行きます。


というように、小企業や個人商店なりの勝ち方があるのです。


書籍の中でも、「~路地裏などに立地している個人店の場合、わざわざ来てもらえるような尖った商品が必要なんです。」とあります。


今の時代、食べログSNSなどで情報を得る事が簡単になっています。


その為、立地が少し悪くても、本当に美味しい料理、お客をワクワクさせる料理を提供する事ができれば、小さなお店でも十分勝つ戦略をとる事ができるのです。


そして、「『小』は安くする必要はまったくない」とも書かれています。


安易に安さ勝負をしてしまうと、大手には絶対に勝てません。これは、私が実践していた物販ビジネスにも言える事です。安さ勝負してしまうと、資金力がある所には絶対に勝てません。


その為、小が勝つための戦略をしっかりと練る必要があるのです。


そして、お店を成功させる為にコンセプトを考えるのですが、これがビジネスを成功させる為に必要なのです。


それが、こう書かれています。


「味で日本一と言われ続けるために、まっすぐな仕事を続ける店。決して時代に遅れることなく、その時代のお客様に日本一と言われる醤油ラーメンだけを提供する店。味のわからないお客様はお断りいたします。」

 

ビジネスを成功させる事、そして継続させる為には、常に時代の流れを読み、変わっていく必要があるのです。


つまり、ビジネスにおいて現状満足ほど、やってはいけない考え方はないのです。

 

そして、企業が成長する為には、チームの結束力は必要不可欠です。これは、どんな企業にも共通として言える事だと思います。

 

”業績が下がる企業の80%は、内部要因がその原因である”
”内部要因のうち、業績が下がる原因の80%はトップの経営情熱の欠如である”


企業が成長する為には、トップが経営に情熱をもって取り組む必要があると言うのです。


実際、企業のトップは企業においてとても影響があります。多くの場合、上から下に向かって経営方針が伝わっていきます。


以前の会社でもあった事ですが、上司がただ上からの指示を転送しているだけの場合は、その言葉に情熱など一切ありません。その為、トップは下に対して、自分の情熱をしっかりと伝える必要があります。


人間は考え方が十人十色ですが、企業のビジョンを共有する事で初めて、目標が揃うのです。


組織において皆が自由に行動していたら、いい方向にいくわけがありません。


いい人材が抜けていく理由を考える

組織を成長させる為には、有能な人材を確保しなければなりません。


いくらいい人材を確保しても、継続的に働いてもらわなければ成果を持続する事は難しいのです。


逆を言えば、有能な人材に頼った仕事をしていると、その人たちがいなくなった時に、組織が機能しなくなる事があります。


つまり、いい人材が入ってくる仕組み、および、継続して働く仕組みを考えていく必要があるのです。


書籍の中で、”動物は生まれ持った本能で、適合していない軍団には所属しないし、適合しなくなったら離れていく”という言葉があります。


つまり、いい人材が抜けていく組織というものは、いい人材がやりがいを感じない組織になっているという事なのです。


私自身についてもそうですが、よりより待遇、職場環境を求めてきたからこそ、転職を繰り返して今の会社にたどり着いたのだと思います。


また、なぜ野球やサッカーにおいて有能な選手は海外に行くのか。これもすべてが物語っていると思います。


逆説的に言うと、ダメなメンバーばかり残っている組織になっている場合や、一人に頼った仕事をしている場合、組織の在り方に問題があるという事を知っておく必要があります。


この書籍の中には、ハッとさせられるキーワードがいくつか出てきます。


例えば、


”結果を大きく変えるためには、行動を大きく変えるしかない”
”モチベーションを低く接すると、相手もモチベーションを低く接してくる”
”人間というのは面白いもので、同じような人が集まる習性がある”


組織において人間性というのはとても重要な要素であるという事が分かります。人を育ているという事も大切な要素ですが、組織の在り方を変えて、適合する人材を選ぶ事も重要であると思います。


人も組織も危機感がなければ変わらない

組織において、変革ほど難しいものがありません。


それは、自分の事ですら変える事が難しい事を考えると、多くの人間が関わる組織を変えるのは、さらに難しい事を理解できると思います。


また、組織の場合、既存のルールが存在する為、それを壊して新しいものを作る事を、人は中々したがらないものです。


よくあるのが、「このルール使えないよね」と言いながらも、全く変えようとしない人たち。


変わる事はそれだけ大変だし、労力がいるという事なのです。だから、組織においては変革する癖づけを持つことで、変化に対して柔軟な組織を作る事ができます。


書籍の中でもこんな事が書かれています。

”いきなり悪くなると「これはまずい!」ってなるんだけど、徐々に悪くなると知らぬ間に回復できない状態になっちゃうの。”


この内容は、このブログでも再三、今の日本に対して書いているものです。


今の日本は徐々に経済悪化している為、本気で危機感を持っている人はいないのです。そして、日本人の場合、危機感を持つと、貯金にはしる傾向があるので、さらに経済にお金がまわらない状況を作ってしまうのです。


この書籍では、他にもマーケティングにおいて重要な事をいくつも書かれています。


例えば、新規顧客を獲得する事も重要ですが、それ以上に、リピート顧客を獲得する方が大切であるとか、広告の重要性など書かれています。


日々の目の前の仕事ばかりにとらわれていては、こういった事に目がいかない場合があります。


だからこそ、有能な上司や先輩が、物事を俯瞰して捉え、普段の業務では中々気づかないポイントを、部下や後輩にアドバイスしてあげる事が大切なんだと思います。


物語調でかなり読みやすいので、是非、一読してみてください!