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鈴木敏文の本当のようなウソを見抜く セブンイレブン式脱常識の仕事術のレビュー

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日本のコンビニ業界で売上トップをほこる「セブンイレブン」。


このセブンイレブンでは、会長の鈴木敏文氏の元、様々な戦略を打ち立て、それを実現し、成功させてきました。


例えば、私たちが当たり前に使っているコンビニには様々なサービスがあります。例えば、ATM、試食サービス、温かい飲み物、これからは、すべて、この当たり前の中には、様々な常識を打破し、チャレンジし続けてきた為に実現できたものなのです。


その今のセブンイレブンを作りにあたって、背景にある様々な考え方やノウハウを書籍『鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」セブン-イレブン式脱常識の仕事術』が語られています。

鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」?セブン-イレブン式脱常識の仕事術

 

コンビニ経営の考え方が、「実際の今の仕事やライフスタイルで得るものはあるか?」と思って読み始めましたが、意外や意外、学ぶことが多々あり、とても共感できました。


この書籍の面白いところは、世の中にある真実と思われる事が実際はウソであるという切り口で、事例付きで紹介されている事です。私も仕事をしていて、「今のままではダメだ」と理解していても、行動しないサラリーマンなら目からうろこの内容がたくさん書かれています。


色々と参考になる部分はあるのですが、その一部を紹介したいと思います。


合理化における人件費削減のウソ

企業において合理化というキーワードで、人件費(エンジニアだと工数削減)するように常々言われ続けています。


本書ではここにウソがあるとし、「経費を削減した結果として利益が増えたように見えるのは縮小減退にすぎない」という書かれています。そして、その心理として、人を「単なるコスト」と考えるのではなく、「利益を生む存在」として考え、「人が生産性をあげる時代」とあります。


私もこの考えに賛同します。多くの企業のコスト削減において、人件費に目が行くことが多く、業務が回せるギリギリの人数まで絞り込もうとすることがあります。


私もある大手企業に常駐していた時に、コスト削減というキーワードで業務を回せるギリギリの人数で対応していました。しかし、ある日、インフルエンザで一人が1週間ほど自宅療養を余儀なくされたときに、既存メンバーの負荷は一気に増大し、毎日終電という事態が発生しました。


そんな現場なので、辞める人間も多く、人の入れ替えが多い為、引き継ぎや教育に時間をとられ、結果、コストが減らないという悪循環に陥っていました。コスト削減のつもりが、コスト増になるという事はしばしば発生します。


もっと重要なのは、書籍に書かれている通り、社員一人一人の生産性をあげる努力をすることの方が圧倒的に結果がでるのです。特に、ルーチンワークでない仕事であればあるほど、この費用対効果は大きくなります。

 


「顧客の為に」と「顧客の立場で」とは意味が全く異なる

本書では、「私たちが”顧客の為に”と考えている時はたいてい、自分の経験をもとに、”お客とはこういうものだ”」と決めつけるとあります。


実際にこれを今の仕事に置き換えて考えてみるとどうでしょうか?そういう風に考えている事はありませんか?先日も実体験で面白い経験をしたのですが、中小企業のコンサル業務をしていくなかで、物理サーバ運営から仮想サーバ基盤を構築したいという顧客がいました。


その為、実際にシステム調査に入ったのですが、仮想基盤を構築する前に、運用に様々な問題がある事が発覚しました。確かに、仮想基盤の構築は将来的に考えてもいいですが、まずは現状のシステムの問題を解決することが重要であると考えました。


しかし、自社のメンバーは「顧客が”仮想基盤を構築したい”と言っているのだから、その提案をすればいい」という話になりました。結果、その流れで話を進めた結果、システム構築でかかる費用が予算感と全く合わずに、結果、再調整になりました。


私たちはエンジニアの仕事をしていますが、顧客が実際にどうのように考えているのかは、本気でヒアリングをしていかなければわかりません。システム調査では問題を洗い出すことができますが、本当に大切なのは顧客の予算の中で、何に優先度をあげて対応すべきかです。


会社の面談と一緒で、たった数回の面談でその人の本質が図れないように、顧客の立場になる為には、もっと深いレベルでのコミュニケーションが必要になります。


これが不足している為、押し売り的なシステムを提供したり、顧客のニーズを満たせない設計をしてしまう事が発生するのです。

 

ものまねをする経営としない経営どっちが楽か?

これはかなりレベルの高い話だと思います。一見、ものまねをする経営の方が楽に見えますが、これにもウソが存在するとあります。ものまねは進む道が成約され、やがて価格競争に巻き込まれる。しかし、ものまねをしない経営は、いかに新しいものを生み出せるかが勝負で、一見大変そうだが、全方向に広角度で自由に考えられるので、むしろ楽であるという発想に切り替えるべきだとあります。

つまり、ものまねは手っ取り早いが、すぐにライバルとの市場争いになります。これも輸入ビジネスをしている人なら、ピンと来るな話ではないでしょうか。


ヒット商品は売れやすいが、その分、飽和しやすく値崩れが起きやすい。その為、比較的早く、商品の寿命が訪れます。しかし、みんなが知らないけど、ロングテールで売れ続けている商品は、圧倒的に稼ぐ事はできませんが、一人舞台で稼ぎ続ける事ができます。


人がすぐに目につくものは、誰かがすでにやっている事が多いのです。だからこそ、誰もやってこなかった事や、達成する事が困難であると思われている事の方が、うまく行った時に、圧倒的な結果を出すことができるのです。

 

 

入社しても会社に慣れてはいけない

書籍では、「入社しても会社に慣れてはいけない」とあります。これは、顧客の立場で考える際に、会社に慣れてしまうと自分都合で考えてしまうからとあります。


本来、顧客の立場で考えれば、セブンイレブンに対して不満があったはずだが、お店側に立つと、視点が客から売り手側にまわり、自分たちの提供するサービスは問題ないと考えるようになります。


これでは顧客の気持ちを読み取ることはできなくなります。


システムエンジニアの仕事でも同様です。一つの会社に属して長くいると、自分の考え方は正しいと思い込むようになります。私は様々な会社に常駐しているから気づくのですが、会社によってやり方や考え方が全く異なる事がよくあります。


多くの場合、自分たちのやり方には疑問を持たず、顧客からクレームが来ると、”面倒な客だ”と考えるようになります。


私は仕事をしていて自分たちのスキルを伸ばすのも、顧客のクレームや細かい指摘だと思っています。システムエンジンは顧客と一緒に成長する事。それによって、お互いがよりよい関係になれると思っています。

 


「自分の考え方」をしっかり持たないと情報に左右される

新しいアイデアを提供していく為には、常に情報を取り入れ考察していく必要があります。この作業において勘違いされやすいのは、何でもかんでも情報を取り入れればよいという事ではありません。


本書でも、「自分の考えをしっかりと持った上で、入手した情報によってそれを補強したり、補正していくこと。したがって、情報い接する時にまず求められるのは、自分の考え方をしっかりと持つこと」とあります。


私の尊敬する投資家も、自分の哲学を持たないと情報に左右されて、何が正しいのか判断できなくなると言っています。


情報を取り入れる事はとても重要です。特にこの時代、情報はインターネットを使って圧倒的なスピードで入手する事ができます。しかし、その情報が果たして正しいのかどうかを判断するのは自分自身です。


これは仕事においてもそうで、経験の浅い部下や後輩からの報告内容には、多くの誤りがある場合があります。それを見つけ出して、真の答えを聞きだすのも上司、先輩の仕事です。


経験のない部下や後輩は、仕事の報告において”叱られたくないから報告内容を補正する”事があります。だからこそ、報告内容に曖昧な部分はないか、ごまかしている部分はないかを判断する技術を持つことがとても重要になるのです。

 


人間は自分の問題になると保守的になる

この書籍で一番、痛感した内容はこの部分です。本書では「人間は世の中を変えないとダメだとか、政治は何をやっているんだと革新的な事を言う一方で、自分の問題になると保守的になって自らの経験でものを判断するようになる」とあります。


自分自身に置き換えると、確かに自分の事になると保守的になるという事がよくあります。同じく、人にアドバイスするときは、強気で前向きな意見を言うのです。


どちらが本当の自分であるかと言うと、こうなりたいとう理想は前向きな自分です。しかし現実は保守的な自分です。だから、保守的な自分から理想的な自分にいかに近づけるかが、成功へのカギになるのです。


私は、様々な行動をするときに、必ず、客観的に自分をみるようにしています。

これからの日本経済は年を追うごとに疲弊していきます。その為、保守的な人では、これからの日本の立て直しは不可能です。その為、革新的な考えで行動できる人こそが必要になってくるのです。


私が感じている事は、会社にすべての答えがあるとは限りません。しかし、残念なのは、今のサラリーマンは会社や組織において帰属意識が強すぎるという事です。これでは会社を変える事などできません。


しかし、私のまわりの上司や同僚は、会社の不平や文句を言いながら変える努力を一向にしません。上司がダメだと部下もそれ以上に壁を感じ、行動しなくなります。


上司は、ダメな組織を作っているのは、部下のスキルが低いからと考えますが、実はそうではなく、自分たちのやり方が間違っているからだと考える必要があるのです。


もし新入社員のあたなが会社や組織の考え方ややり方に疑問を持っているなら、それは一概に間違いでない事もあるという事です。多くの場合、新しい考え方を拒絶する傾向がありますが、こういったフレッシュな意見こそが、会社や組織を変えるきっかけになるかもしれないという事です。


会社や組織を変えるのは一筋縄ではいきませんが、自分自身を変えることは今日からでもできます。まずは自分自身から変える努力をしてみてください!